2004年 08月 12日

自宅練習での格闘 ~録音練習のきっかけ~byともべ

家での個人練習は、かならずMD録音して聴いてみる。これをはじめたのは関西に暮らし始めた年('02年)の12月。

きっかけはたしか、その年の8月のYASU音の本番演奏のCDを聴いたことだったと思います。
数ヶ月前のその演奏は最悪で、私はオーディオの前で固まっていました。
このようなときは本当に辛いですね。やはりいつまでたっても慣れないものです。
しかし私はそこから立ち上がらなければならなかったし、なぜだか諦めが悪い性分で、どうやってここから脱しようか?と考えました。
それが、おかしいのですが…。
つまり、「そうだよ、いきなり本番の録音を聴いて落ち込むなんておかしいじゃない。だいたい練習のときからそのように歌っているから本番でもそういうものが出来上がる。練習の段階で録音を聴いて改善していきもしないで、本番の録音を聴いて落ち込むなんておかしい。」そう考えたのです。
練習でここまでできている、と知っていて、本番でそのような演奏になった、というふうに、本番の録音と対面すべきだと思ったのですね。その演奏をきいて落ち込んだということは、自分はもっとちゃんと歌っていると思っていた、ということなわけです。その現実と感覚のズレを練習の段階で塗りつぶしていかなければ、いつまでたってもこの堂々巡りから逃れることができない、そう考えました。

いつもそうなのですが、本当に打ちのめされることが多いので、度々思うのですが(笑)、がっかりしきったその後に、じゃぁ私は、考えられる限りの手をつくしたのか?と自問して、あぁ、全然まだ何もやってないじゃない、と気がつく。そして、自分を信じることにしています。そして当面は棚上げする。やれるだけのことをやるしかないし、やらないなら諦めて手を引くだけのこと。
そして私の録音練習が始まりました。よいことに、関西時代の私にはかなりたっぷりと暇な時間がありました。

録音練習のポイントは、練習中をずっと取り続けること。練習曲が変わるごとにトラックを区切るほかは、ずっと取り続ける。そして、1時間強練習した後、できるだけすぐそれを聴くこと。聴きながら、練習中に、自分がどう感じて歌いなおしたり、その部分の何にこだわって繰り返し練習していたかを憶えていることが大事です。自分がこだわって、こうじゃないな、と思ったそれが、実際はどう聞こえるのか。そして、こうのほうがいいだろうと変化させていった方向が、自分が思っていたほうへちゃんと変化しているのか、それを聞くのが一番大きなポイントです。また、聴くときは、じっと聴くのもいいけれど、私の場合は家事(夕飯の支度)をしながら聴く。何かしながら聴くほうが、必要以上に落ち込まずに済むから。大切なのは続けることだと思ったのです。あまりにもストレスになりすぎる方法はやめようと思いました。

また同じ時期、関西で私の師匠、花井尚美氏のソロを聴きました。それは本当に素晴らしかった。こんな先生に習っているのに、自分はいったいなんだ!と、とても腹が立ちました。
彼女のソロは、実際きちんと聴いたことがありませんでした。もともとアンサンブルをプロフェッショナルにとりくみ実践している人のそばにいたい、そう思って彼女の門を叩いたため、彼女のアンサンブルでの本番を聴く機会がほとんどでした。そのとき、あらためて先生のソロの歌の深みを知って、かなり驚いたのです。こんな素晴らしい人に教えて頂けるのだから、本当に私は百人力。まだまだ自分はよく成れるはず。またも楽観的なイメージ(笑)

そうやっていくうち、練習の録音でたまーに「あ、そうそう、こう歌いたかった」というものが聴けたとき、それはそれは本当に嬉しい瞬間。
東京に戻って忙しくなり、なかなかじっくりこの大好きな練習に浸れないのが少しストレスですが、なんとか少しずつでも前進できればいいなぁと思います。

ともべ著
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by bctapestry | 2004-08-12 23:48 | 練習日記


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